2014年6月12日(木) 08:55
夢のあとさき/岡村かおる
2014.6.12 ペン遊ペン楽
「童話作家になりたいと思います」--小6のとき、創立10周年を迎えた小学校の記念誌に、私はこう記した。心底なりたいと思っていたわけではなかったが、文章を書くのが好きで、童話を読むのが好きだった当時の私にとっては、そう答えることが、大人に夢を問われたときのいちばんの正解だった。いくつか創作もしたが、やがて中学生になり学年が進むにつれて、童話作家への夢はいつしか消え去り、思春期以降、自らの夢をどう語っていたのか、まったく思い出せない。